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2月1日から2月14日までXにて募集していた #120字で紡ぐ恋物語 のコンテスト結果を発表します!
短い期間で、かつ、事前告知なしでスタートした企画でしたが、340作品という多数のご応募をいただきました。ありがとうございます。
文豪コロシアム掌編賞は、甲乙つけがたく、最終的に2名の受賞となりました。
最多いいね賞は、363いいねを獲得した1名に贈呈いたします。
文豪コロシアム 掌編賞 2名
選者: 文豪コロシアム運営事務局
深夜、布団の中で冷たい指が私の足首を掴む。
毎晩の心霊現象には慣れた。
長年連れ添った伴侶の手を私が忘れたとでも思うか。
あなたは死ぬほどシャイだった。
でも掴むならそこじゃないでしょ。
そこは私の足首ですよ。
私のしわくちゃの手はここですよ。
講評
短い文章の中に主人公が過ごしてきた時間が詰まっていることを感じさせる作品でした。色々な情景が目に浮かび、読者として想像力を掻き立てられる『恋物語』に感動しました。
「なあ、好きな奴居る?」
「どうしたの急に」
幼馴染みの海斗に、四歳のときからあげ続けているチョコを渡すと不意に訊かれた。
心拍数が上がる。
「俺は居る」
中学二年。恋を始めるにはちょうどいい年。
「あたしも居るよ」
「せーので言おうぜ」
「せーの……」
講評
会話劇であり、地の文が少ないながら、しっかりと情景、動き、物語の前後の時間が読者に伝わっており、結末も実は数パターンを想像してしまう面白い作品でした。甘酸っぱい恋物語として選ばせていただきました。
最多いいね賞 1名
彼女が“命を込めて”作るというチョコを手伝う約束をした。
「チョコが固まる前に聞きたいんだけど、どんな形のチョコが好き?」と聞いてきた。
「ハート」と適当に僕は言う。
“ハート”という文字のチョコが出来た。
こういう所がたまらなく好きなのだ。
講評
ストレートなラブレーターだと感じました。日常の切り取りが短い文章に詰められていますが、最後の一行だけで主人公の彼女を見つめる穏やかな目という情景が伝わってきます。最多いいね賞、おめでとうございます。