トップページ > 文豪コロシアム×創作論 > 3×4=12 先生①
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第1回文豪コロシアムのトーナメントを制した「ハロウィンミッドナイト」。その作者である3×4=12先生に、どのような形で今回の作品作りをされたか、普段どのようなことを心掛けているかについて全3回に分けて寄稿いただきました。
① 登場人物が勝手に動く!?
創作論を執筆するにあたり、文豪コロシアムの関係者の皆様、参加者の皆様、投票してくださった皆様にお礼を申し上げます。この度は誠にありがとうございます。
栄えある第1回文豪コロシアムの優勝ができ、嬉しい半面、本当に私でよかったのかなと思うところもあります。また身に余る受賞ということもあり、実感が湧いていないのも事実であります。
当初は書籍化している作家の皆様しかいない中、素人の私が「創作論」を書くのは烏滸がましいと感じていましたが、運営様から頂いたせっかくの機会ですので、私自身が執筆するにあたり、小説を完結するために使用している手法(創作論)を書かせていただきます。
私が使用している手法は主に三つあります。第一回目では、優勝作品である『ハロウィンミッドナイト』を完結するために用いた手法を述べさせていただきます。
① 登場人物が勝手に動く!?
書いてある通りなんですが、そのままなんです。これは私自身が初めて取り入れた手法で、簡単な設定を決めただけで、あえて展開やオチは一切考えないまま執筆を始めました。設定は以下の通りです。
見ていただいた通り、ストーリー、場所、登場人物の簡単な設定しか考えていませんでした。あとは頭の中で物語を想像していきます。
第一章の『ハロウィンミッドナイト』は、
主人公の桔平が茜を預かる
喫茶店で君嶋と落ち合う
渋谷で暴れる
ぐらいしか決めておらず、あとは登場人物が勝手に動いてくれました。
それは第二章、第三章も同じで『ウォールアート』『地下格闘技』『抗争』といったテーマだけを決めて、あとはどのように桔平が解決していくのか。頭の中で勝手に行動してくれた内容を、私が文字で書き起こすといった形でした。桔平ならこう動くはず!ではなく、桔平が動いているのを見ている私といった例えの方がしっくりきます。(ドラマを見ている気分でした)なので桔平がいないところでの出来事は、私も知りません(なので書いていない)。
こうやって完結したのが『ハロウィンミッドナイト』になります。文字数は七万字程度で、執筆時間は四十時間程度(妄想時間含めず)です。ドラマを見て、文字に書き起こすといった形になりますので、執筆中は苦になることなく楽しく進めることができました。
一番苦戦したことは、登場人物の名前でした。ネットサーフィンをして目についた文字をランダムに当てはめていき、萩原 桔平や君嶋 竜仁が生まれました(最初は山田と佐藤)。余談ですが萩原 桔平はある格闘家の名前を参考にしています。
小説を執筆するうえで私が重要視していることは、『完結させること』です。完結させることは自信にも繋がり、今後の糧になります。また完結させることで、その作品は公募に応募できる幅も広がり、もしかしたら受賞できるかもしれません。
もちろん執筆は楽しいときもあれば、苦しいときもあるかもしれません。けど執筆を続けていけば、いつか何かが起きるかもしれません。私はその何かを知るためにも、いかに楽しく執筆ができるか考えています。その一つが、①登場人物が勝手に動く!?でした。
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