From Picture Award Vol.3
1枚のイラストから始まる物語
1枚のイラストから始まる物語
物語を書くきっかけが、言葉ではなく「1枚のイラスト」だったら?
その1枚には、どんな出来事があったのか?
登場人物は、何を思っているのか?
なぜその景色が、今そこにあるのか?
-結果発表-
FPA Vol.3 テーマイラスト
桜満開の川沿いに腰掛ける、ひとりの女性。
春は出会いや別れの季節といいますが
いったいこの女性はどうしたのでしょうか?
このイラストから、どのような物語が生み出されるのでしょうか?
皆さまのご参加を、心よりお待ちしています。
FPA Vol.3 テーマイラスト 作: まめはむ 様
最優秀賞 なし
合計34作品のご応募 ありがとうございました!
残念ながら今回は優秀作品は「なし」となりました。
総評
まずは多数のご応募、ありがとうございます。
今回は構図上、様々なキーワードが浮かびやすく、時代設定、背景などわりと作品傾向がバラバラになると想定していたのですが、実際に応募いただいた作品の傾向は若干偏っていた印象でした。偏るということは、言葉を飾らずに表現しますと、その着想は「平凡」であったということになります。多くの作家が着手しやすい発想に対しての評価は、ハードルが跳ね上がります。コンテストという性質上、その中で差をつけるためには、もう一歩踏み込んだ視点が求められました。どこかで読んだことがある話に+αの部分が必要となるため、技量だけでは対応できない部分となります。
コメント対象となったピック作品において、選者コメントを入れさせていただきましたが、作品傾向として、死者が待っている、死者や想い出、記憶と再会するという類型的なシチュエーションが並んでいる状態です。そして、類型のなかで特異点的な作品が見出すことができませんでした。
読み易い作品、面白かった作品はあったものの、結果的にFPAとして前2回と比較して同レベル以上の作品を見出すことができず、大変心苦しいところでしたが、受賞作なしという結論にいたりました。
文字数が制限されている短編賞ということもあり難しいコンテストだと認識しております。
選者としては少ない文字列でオリジナリティのある物語性があったか、読者を引き込む強さがあったか、提示された絵に対する世界観を膨らませることができたかといった点を中心に評価させていただきました。
FPAは次回以降も続きます。
是非、再度ご挑戦いただけることを願っております。
世界を愛した誰か 著:あかしろ猫なのめ
〈あらすじ〉
「なぜ、僕にこの風景が見えるのか?」 生きる意味を見失っていた少年・晴斗。ある手術の後、見知らぬ景色の映像が浮かぶようになる。満開の桜、川のせせらぎ、そして一人の女性。グミの味、ラーメンの匂い、懐かしい街角。 記憶を辿り、辿り着いた先で、晴斗が知った真実とは――。
選者コメント
文章、文体とも安定しており読みやすかったという一方で内臓に記憶があるという設定自体が目新しいものではなく、展開も王道的な流れ。
もう一ひねり、例えば、思い切ってラーメンを食べることだけ(脳内に食レポが流れる)などに振り切り、女性には気付くも、女性とは会わない、何も告げないというなど、ご自身が用意した設定の上で、設定の次の一手が欲しかった。
今年も、ここで待っている 著:swingout777
〈あらすじ〉
十年前の春、親友と交わした「またここで会おう」という約束を、朝倉澪は今も一人で守り続けている。だが桜の川辺に現れたのは親友本人ではなく、彼女の娘だった。託された手紙には、裏切りだと信じていた出来事の真相と、言えなかった謝罪が綴られていて――会えなかった再会を、言葉で果たす春の物語。
選者コメント
選考委員の中でも評価の高かった作品の一つだったが、決め手に欠けていた。
作者が企図した友人とのすれ違いという設定が前面に出すぎていることで、展開の必然性を薄く感じてしまった。
文章力、構成力も高く、確かに感動もあるし、シチュエーション的に一定以上のレベルに達してはいるが、全体を通した場合、切り取られた場面を読んでいるという印象の方が強く出てしまった。
初恋と春泥棒 著:翡翠雨下
〈あらすじ〉
四月一日の二時三十分に桜川で待ち合わせ。小学校の同級生・蓬との約束を守るために青葉は桜川の河川敷を一人訪れた。約束の時刻の五分前に待ち合わせ場所に着いた青葉は一枚の短冊を川に流す。そして祈るように目を閉じた――。
選者コメント
短編としては非常に優秀な作品である一方で、既存の物語の延長線上に収まってしまった印象があった。
例えばこれが、コンテンスト形式ではない、作品を評価する場であれば、高評価になっていただろと感じた。
着想という一点においてのみのマイナス評価。
妃奈子と貴美華と約束と 著:はじめアキラ
〈あらすじ〉
――早く、会いに来て。 妃奈子は今日も一人、河川敷で本を読む。 桜が舞い散るこの季節。きっと、今年こそあの人が来てくれるはずだと信じて。 そんな妃奈子に声をかけてきたのは、貴美華と言う名前の小学生の女の子で……。
選者コメント
美しい話。
待っていた人の時代設定など、とても読み応えもあり面白い。
一方でかなり速い段階でゴールが見えてしまっている。
書き手の意図が見えてしまうのは、ある程度は仕方ない部分はあるが、できるだけ伏せていきたいところ。
惜しい。
白と桃 著:海谷 月夜
〈あらすじ〉
私の母が亡くなった。母の遺書には、桜並木の見える川へ散骨をして欲しいと書いてあった。四十九日に、私は遺志を実行することになる。
選者コメント
シチュエーションはとても良かった。
散骨を主軸に置きつつ、母の深い愛情というテーマも素晴らしい。
惜しむらくは、文章の配置、言葉の選び方が感情移入を呼び起こすに不足していた。
淡々としている部分が、母を失い呆然としている姿よりも、ニュースを読み上げているような第三者感を感じてしまった。
主人公の深い哀しみを淡々と表現した上で、ラストの感情の爆発となっていれば作品のレベルがガラリと変ったのではないだろうか。
存在し得ない写真 著:たかはししゅーと
〈あらすじ〉
ある掲示板に貼られた、一枚の写真。 「この写真ってどう撮ったの?」という問いをきっかけに、それは“存在し得ない写真”へと変わっていく。
選者コメント
面白かった。第3回FPAの中では、お題を活かすという点でもっともFPAらしい作品。
お題の写真をAIで加工された写真として扱うというところは、より現代的だあるうえ、しっかりとオチまで付けられている。
ただ、どうせAIじゃないのか、AIだとできない、今のAIならできるという展開は、物語としては悪手。作者が提示した文中の制約条件を作品の面白さを高めるために、自ら外してしまっているという点が物語の構成として大きなマイナス評価となった。
たとえば、AIでは無理なんだけど、昔からある技術で……のような納得感がある代替案があるとよかったのではないかと思う。
来世は桜になりたい 著:穂積歩夜
〈あらすじ〉
前世から知ってるような気がするんだよね――初対面でそんなことを言い出すくらい、私の彼は変わり者。 一緒にお花見に行けるのを楽しみにしていたけれど、叶わなかった。
選者コメント
選考委員の中でも評価の高かった作品の一つ。
話も綺麗だし、しっかりとラストでまとまっている。文章力も構成力も高い。
一方で、やは予定調和ともいえるラストが先に見えてしまった。
きつい表現になってしまうかもしれないが、この話は文豪コロシアムで定期的に開催しているような掌編企画でも、ほぼ同じ構成の話が書けてしまう。
そう考えると、字数的には、もっと物語を動かせたのではないだろか。
春の音 著:海月いおり
〈あらすじ〉
春が来るたび、私は思い出す。 高校時代、誰もいない美術室で本を読んでいた無口な和佐先生のことを。 何も語らなかった先生だったが、卒業式の日——桜の下でひとつの言葉を残した。 それから数年。 社会に出て挫折した私は、あの頃とは違う桜の下に立つ。 静かな春の記憶が、止まっていた時間をそっと動かしていく。 記憶と再生を描く、淡く切ない春の物語。
選者コメント
詩あるいは歌詞のような小説。
冒頭で過去の回想であることが提示されたことにより、全体が感情描写というより事実描写として淡々と進む。結果的に情報としてのアクセントが不足していた。
もっと死する教師は苛烈な言葉を紡いだ方が、より物語が動いたのではないだろうか。
- イラストから着想した小説を作成してください。テーマは自由です。
- ジャンル・文体は完全自由。SF、現代劇、ファンタジー、詩、ホラー、日常、なんでもOK
- イラストから受け取る解釈はどんなものでも構いません。
- 公序良俗に反する表現、AI生成による小説の投稿は不可(創作支援としての利用はOK)
- 2026年2月~2026年3月31日
- プロアマ不問。どなたでも参加OK!
- 一人何作品でもOK。
以下の条件を満たした作品を、「文豪コロシアム」上に投稿し、指定のタグをつけてご応募ください。
応募条件
- 作品はオリジナルで未発表のものに限ります。
- 文字数:1,500字以上~5,000字以内 (文豪コロシアムのエディタでカウントした文字数)
- 「文豪コロシアム」に作品を投稿し、公式タグ「FPA③」をつけてください。
- 小説であること(脚本形式などは選考対象外)
- 利用規約違反が確認された作品は、選考対象外となります。
- 日本語以外で書かれた作品、性描写・残虐描写が過度な物、二次創作に該当する作品 は除外対象とします
- 選考者 文豪コロシアム 運営事務局
- 選考期間 2026年4月
- 選考結果は2026年4月下旬、文豪コロシアムのウェブサイト及び公式SNSにて発表します。
- 最優秀賞 1作品
・ 図書カードNEXT 5,000円分
- 佳作 (数名もしくは該当なし)
・Amazonギフト券1,000円分
本賞は、第3回以降も開催予定です。
最優秀賞作品については、受賞作が一定数増えた後、短篇集としての書籍化を検討します。
- 本コンテストへの応募をもって、本注意事項および応募規定に同意いただいたものとします。
- 応募作品はオリジナル作品に限ります。
- 他のコンテストへ応募中でも問題ありませんが、本賞で受賞を発表した場合には、他コンテストについてはご辞退いただく場合がございます。
- 応募に関して不明点がある場合は、文豪コロシアム運営事務局までお問い合わせください。
-応募作品の著作権は応募者に帰属します。
-他社にて書籍化済み、もしくは書籍化が決定している作品については受付できません。
以下のフォームより文豪コロシアム運営事務局宛
株式会社ウエトマエ 文豪コロシアム事業部